職場の「バリキャリ」と呼ばれる人に対して、なんとなく「うざい」と感じてしまうことはありませんか。
自らバリキャリと名乗るその自信や、時に怖いと感じるほどのストイックな姿勢についていけない、と感じる方もいるかもしれません。
特に、バリキャリワーママの働き方と自分の現状を無意識に比べてしまったり、価値観の違うママ友との関係に悩んだりすることもあるでしょう。
一方で、内心ではきらびやかに見えるバリキャリママが羨ましいと感じたり、自分は理想のバリキャリになれなかったと落ち込んだりする、複雑な気持ちを抱えている人もいるはずです。
この記事では、そもそもバリキャリに向いている人はどのような特徴を持つのかを解説するとともに、あなたが「うざい」と感じてしまうその感情の正体と、上手な付き合い方のヒントを探ります。
記事のポイント
- バリキャリが「うざい」と感じられる具体的な理由
- 様々な立場から見たバリキャリへの複雑な本音
- バリキャリという働き方に向いている人の特徴
- 周囲のバリキャリと上手に関わるためのヒント
なぜ「バリキャリはうざい」と思われてしまうのか
ここでは、多くの人がバリキャリに対して「うざい」という感情を抱いてしまう、具体的な理由を掘り下げていきます。
- バリキャリが怖いと思われるストイックな一面
- 自分で言うバリキャリのアピールが鼻につく理由
- 負けず嫌いな性格が時に反感を買うことも
- 自分に厳しい完璧主義が周りを疲れさせる
- プライベートの充実ぶりに対する嫉妬心

バリキャリが怖いと思われるストイックな一面
バリキャリのストイックさは、目標達成への強い意志の表れですが、時に周囲へ「怖い」という印象を与えてしまうことがあります。
彼女たちは自らに高い基準を課しており、仕事の成果に対して一切の妥協を許さない姿勢を持っているからです。
例えば、周りが「このくらいで十分だろう」と評価するような場面でも、本人は決して満足しません。
自らが設定した高いミッションをクリアすることに喜びを感じるため、常に高みを目指し続けます。
この姿勢は、仕事への情熱の証である一方、周囲の人々にとっては大きなプレッシャーに感じられることがあります。
特に、仕事に対して異なる価値観を持つ人から見ると、その厳しさが威圧的に映り、「怖い」「近寄りがたい」という感情につながってしまうのかもしれません。
自分で言うバリキャリのアピールが鼻につく理由
自らのキャリアや成果を積極的にアピールする行為は、自信の表れであると同時に、聞く人によっては過剰な自慢と受け取られがちです。
特に「自分で言うバリキャリ」の言葉が鼻についてしまうのは、そこに透けて見える承認欲求が原因であると考えられます。
多くのバリキャリは、多大な努力によって現在の地位を築いています。
そのため、自分の頑張りを誰かに認めてもらいたいという気持ちが、言葉の端々に表れることがあります。
フェイスブックなどのSNSで、仕事の成果や、育児と両立している姿(例えば手の込んだキャラ弁の写真など)を頻繁に投稿するのも、その一例かもしれません。
しかし、このようなアピールは、見る人によっては「自慢話ばかり」「意識が高いアピールが痛い」と映り、反感を買ってしまう要因となるのです。
負けず嫌いな性格が時に反感を買うことも
バリキャリに多い「負けず嫌いな性格」は、高いパフォーマンスを発揮する原動力ですが、その競争心の強さが時に周囲の反感を買うことがあります。
彼女たちにとって、仕事の相手が男性であろうと女性であろうと関係なく、全てが競争相手と認識されがちです。
例えば、簡単な事務作業一つをとっても「誰よりも早く正確に終わらせたい」と考え、同じプロジェクト内では「誰よりも良い成績を残したい」と強く願います。
このような競争心は、個人の成長や組織の生産性向上に貢献する側面もあります。
ただ、チームワークが求められる環境において、過度な競争心は協調性を欠いた行動と見なされる場合があります。
「あの人は自分だけが目立ちたいのだろう」という誤解を生み、周囲との間に壁を作ってしまうこともあるのです。
自分に厳しい完璧主義が周りを疲れさせる
自分に厳しい完璧主義はバリキャリの強みですが、その基準を無意識に他人にも当てはめてしまうことで、周りの人々を疲れさせてしまうケースが少なくありません。
彼女たちは自分の中に確固たるルールを持っており、それを達成できない自分を許せないと考えています。
このストイックさは、仕事のクオリティを極限まで高める力になります。
しかし、問題は、その高い基準がいつの間にか周囲の同僚や部下にも向けられてしまうことです。
バリキャリ本人に悪気はなくとも、「なぜこのレベルのことができないのか」という雰囲気が伝わると、周りは「常に監視されている」「少しのミスも許されない」と感じ、精神的に消耗してしまいます。
その結果、職場全体の雰囲気が窮屈になり、「あの人と仕事をするのは疲れる」というネガティブな感情が生まれる一因となるのです。
プライベートの充実ぶりに対する嫉妬心
仕事だけでなく、プライベートも全力で楽しむバリキャリの姿は、一部の人々から嫉妬の対象となることがあります。
多くの人は「仕事が忙しければプライベートは疎かになる」と考えがちですが、バリキャリはそうではない場合が多いです。
彼女たちは、「プライベートを充実させるために仕事を頑張る」という考え方を持っています。
つまり、仕事で稼いだお金や得た達成感を、旅行や趣味、美食といったプライベートな活動への投資だと捉えているのです。
この好循環を知っているからこそ、仕事にも精力的に打ち込めます。
しかし、仕事やプライベートが思い通りにいっていない人から見ると、その輝かしいライフスタイルは眩しく映りすぎることがあります。
自分にはないものを持っている他者への羨望が、いつしか嫉妬心に変わり、「うざい」という感情に転化してしまうのかもしれません。
「バリキャリうざい」と感じる様々な立場と本音
「バリキャリがうざい」という感情は、見る人の立場や状況によって複雑に変化します。
ここでは、ワーキングマザー同士の対立やママ友との関係、そして個人の内面にある本音に焦点を当てていきます。
- 対立?バリキャリワーママとゆるキャリワーママ
- バリキャリとママ友との間に生まれる見えない壁
- バリキャリママが羨ましいと感じてしまう心理
- 「バリキャリになれなかった」という劣等感
- そもそもバリキャリに向いている人の特徴とは?

特にワーママ同士だと、仕事への価値観の違いでギクシャクしちゃうこと、本当にあるある!
対立?バリキャリワーママとゆるキャリワーママ
ワーキングマザーの中では、仕事への価値観の違いから「バリキャリ派」と「ゆるキャリ派」の間に対立構造が生まれやすいと言われています。
この背景には、働き方が多様化する一方で、企業や社会のサポート体制が個々の選択に十分追いついていない現状があります。
バリキャリ派の主張
バリキャリワーママは、「子育てを言い訳に仕事のパフォーマンスを下げたくない」と考える傾向が強いです。
出産前と同じか、それ以上の成果を出すことにこだわり、寝る間を惜しんで努力をします。
彼女たちから見れば、子育てを理由に定時で帰り、仕事の負荷を軽くしようとするゆるキャリ派の姿勢は、「女性全体の評価を下げる行為」と映り、許しがたいものに感じられることがあります。
ゆるキャリ派の主張
一方、ゆるキャリ派は「子育て中は仕事はそこそこで十分」と考える傾向があります。
子どもの成長を側で見守る時間を大切にし、仕事の責任や負担が軽くなることを受け入れています。
彼女たちからすれば、家庭を犠牲にしてまで仕事に打ち込むバリキャリ派の姿は「痛々しく」、自分たちにも同じレベルを求められるのではないかというプレッシャーを感じ、「足並みを揃えてほしい」という気持ちになるのです。
このように、両者の間には深い溝が存在しますが、これは個人の資質だけの問題ではありません。
育児休業制度や時短勤務制度はあっても、利用することでキャリアに響く現実や、依然として根強い長時間労働至上主義が、ワーキングマザーを分断させる一因となっていると考えられます。
比較項目 | バリキャリワーママ | ゆるキャリワーママ |
---|---|---|
仕事の価値観 | パフォーマンスを維持・向上させたい | 子育てを優先し、仕事はセーブしたい |
目標 | 昇進や重要なプロジェクトの達成 | 仕事と家庭のバランス維持 |
周囲への期待 | 他のワーママにも高い意識を求める傾向 | お互いの状況を理解し、配慮し合うべき |
抱えがちな不満 | ゆるキャリの「甘え」が許せない | バリキャリの「頑張りすぎ」が迷惑 |
バリキャリとママ友との間に生まれる見えない壁
仕事に多くの時間を割くバリキャリは、専業主婦や時短勤務のママ友との付き合いの中で、見えない壁を感じることが少なくありません。
価値観や生活リズムの違いが、コミュニケーションの齟齬を生む原因となります。
例えば、平日の昼間に行われるママ友ランチや、学校行事の準備のための頻繁な集まりは、フルタイムで働くバリキャリにとって参加のハードルが非常に高いものです。
参加できたとしても、会話のペースについていけないことがあります。
他のママたちが「新しいケーキ屋さんの話」で1時間盛り上がっている間、バリキャリは「その時間でメールを10本返信できたのに」と考えてしまう、といった具合です。
また、子どもの教育に関する考え方の違いも壁となります。
保育園は教育の場ではないという考えから、お受験や習い事に熱心な専業主婦のママ友を見ると、自分の子どもが不利な状況に置かれているように感じ、焦りや嫉妬を抱くことがあります。
こうした小さなすれ違いが積み重なり、ママ友グループの中で孤立感を深めてしまう場合があるのです。
バリキャリママが羨ましいと感じてしまう心理
バリキャリに対して「うざい」と感じる一方で、心のどこかで「羨ましい」という気持ちを抱いている人も少なくありません。
この複雑な感情は、自分にはないものを相手が持っている、という認識から生まれます。
経済的な自立への憧れ
まず考えられるのは、経済的な自立です。
自分の力で収入を得て、欲しいものを買ったり、好きな場所へ旅行に行ったりする姿は、経済的に夫に依存している、あるいは自分の収入に満足していない人から見れば、非常に魅力的に映ります。
社会と直接つながり、専門性を高めていくキャリアそのものへの憧れも含まれるでしょう。
自己実現への羨望
次に、仕事を通じて自己実現を果たしている姿への羨望があります。
高い目標を掲げ、それを達成していく過程で得られる満足感や達成感は、何物にも代えがたいものです。
日々の生活に物足りなさや停滞感を感じている人にとって、常に挑戦し続けるバリキャリの姿は、自分がなりたかった理想の姿と重なり、「羨ましい」という感情を引き起こすのです。
「うざい」という感情は、こうした羨望の気持ちを認めたくないという、自己防衛の一種である場合もあります。
相手を否定することで、自分の現状を肯定しようとする心理が働いているのかもしれません。
「バリキャリになれなかった」という劣等感
バリキャリに対して強い拒否反応を示す人の中には、「本当は自分もそうなりたかったが、なれなかった」という劣等感が隠れていることがあります。
理想のキャリアパスと現実とのギャップが、コンプレックスとして心に影を落としているのです。
キャリア形成の途中では、結婚や出産、親の介護といった様々なライフイベントが起こります。
特に女性は、出産を機にキャリアの中断や変更を余儀なくされるケースが少なくありません。
国の調査でも、第一子出産を機に約3割の女性が離職するというデータがあります。
本心では仕事を続けたかったのに、保育園が見つからなかった、夫の協力が得られなかった、育児との両立を支援してくれる企業文化ではなかった、といった外的要因でキャリアを諦めざるを得なかった人も大勢います。
こうした経験を持つ人にとって、困難を乗り越えてキャリアを築き続けているバリキャリの存在は、自分が歩めなかった「もしも」の人生を突きつけられているように感じられます。
その結果、直視したくない現実から目をそらすために、相手を「うざい」と否定することで、心のバランスを保とうとすることがあるのです。
そもそもバリキャリに向いている人の特徴とは?
ここまでバリキャリに対する様々な感情を見てきましたが、そもそもどのような人がバリキャリという働き方に向いているのでしょうか。
データベースの情報に基づくと、いくつかの共通した特徴が挙げられます。
第一に、目標達成意欲が非常に高いことです。
仕事に限らずプライベートでも常に目標を設定し、その達成に向けて努力を惜しみません。
小さな成功を積み重ねることに大きな満足感を得られる人は、バリキャリとしての資質があると言えます。
第二に、精神的な強さと自己管理能力です。
高い目標を掲げることは、同時に大きなプレッシャーや困難と向き合うことを意味します。
他人の評価に一喜一憂せず、自らを律して努力を継続できる精神的なタフネスが求められます。
そして第三に、知的好奇心と成長意欲です。
現状に満足せず、常に新しい知識やスキルを学び、自分自身をアップデートしていくことに喜びを感じるタイプです。
これらの特徴を持つ人は、仕事を通じて自己実現を果たしていくバリキャリの生き方に、自然とフィットしていくと考えられます。
「バリキャリがうざい」と感じた時の心の処方箋
あなたが周囲のバリキャリに対して「うざい」と感じてしまう時、その複雑な感情を整理するためのヒントは、この記事の中にあります。最後に、本記事で解説した重要なポイントをまとめました。
ま と め
- 「うざい」という感情の裏には嫉妬や劣等感が隠れている
- バリキャリのストイックな姿勢が時に「怖い」と誤解される
- 過度な自己アピールは承認欲求の裏返しである場合がある
- 負けず嫌いな性格が周囲との間に不要な壁を作ってしまう
- 完璧主義な姿勢が他人への無言のプレッシャーになることも
- ワーママは仕事への価値観の違いから対立しやすい
- 専業主婦のママ友とは生活リズムの違いから溝が生まれがち
- 経済的自立や自己実現を続ける姿が羨望の対象になる
- 「バリキャリになれなかった」という経験が劣等感につながる
- 自分と他人を切り離し、それぞれの価値観を尊重することが大切
- 他人の評価軸ではなく自分が大切にしたいことを見つめ直す
- どうしても合わない相手とは無理せず適切な距離を保つ
- 相手の輝く姿だけでなく見えない部分の努力を想像してみる
- 他人と比較するのではなく自分自身の強みや成長に目を向ける
- 「バリキャリ」という画一的なラベルで自分や他人を縛らない