妊娠がわかり、喜びに満ちている一方で、職場、特に上司への報告に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
「上司への妊娠報告メールは、どのような内容で送れば良いのだろう」「タイミングはいつが適切?」といった疑問は尽きないものです。
特に、つわりで体調が優れない中、安定期前の報告をすべきか迷うこともあるでしょう。
また、妊娠報告で上司への伝え方には守るべきマナーがあり、失敗や後悔は避けたいものです。
最近では妊娠報告にラインを使うケースも見られますが、本当に失礼にあたらないか不安に感じる方もいるかもしれません。
この記事では、具体的な例文を交えながら、上司への妊娠報告メールの書き方やタイミング、伝える際のマナーについて、網羅的に解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
記事のポイント
- 上司への妊娠報告に最適なタイミング
- 状況別に使えるメールやLINEの具体的な例文
- 報告する際に気をつけたいマナーや注意点
- つわりなど体調不良時の伝え方のポイント
目次
上司への妊娠報告メールを送る前の準備
- 妊娠報告で上司への伝え方の基本
- 安定期前の報告はするべきか
- つわりで業務に支障がある場合
- 妊娠報告にラインは使っても良い?
- 報告の前に決めておきたいこと
- 口頭での報告とメールの使い分け

今はメールでするんだね、時代だわ〜!
でも、事前に色々考えておくのは絶対大事!
特に産休後のこととか、しっかり準備しとかないとね。
妊娠報告で上司への伝え方の基本
上司への妊娠報告は、まず直属の上司に直接口頭で伝えるのが基本的なマナーです。
なぜなら、妊娠は今後の働き方に大きく関わることであり、業務の調整や引き継ぎ、産休・育休制度の利用など、相談すべき事項が多岐にわたるためです。
直接顔を合わせて話すことで、誠意が伝わりやすくなり、その後のコミュニケーションも円滑に進みます。
報告する際は、他の社員に聞れないよう、会議室など個室で話せる時間を設けてもらうのが良いでしょう。
「今後の働き方についてご相談したいことがあるので、少々お時間をいただけますでしょうか」と事前にアポイントを取っておくとスムーズです。
伝えるべき内容としては、「妊娠週数」「出産予定日」「産休・育休の取得希望の有無」「復帰の意思と時期の目安」などが挙げられます。
これらの情報を具体的に伝えることで、上司も今後の見通しを立てやすくなります。
安定期前の報告はするべきか
妊娠報告のタイミングとして、一般的には安定期(妊娠12週~16週以降)に入ってからが良いとされています。
しかし、必ずしも安定期まで待つ必要はなく、状況によっては安定期前に報告する方が望ましい場合もあります。
その理由は、妊娠初期はつわりをはじめとする体調の変化が起こりやすい時期だからです。
例えば、立ち仕事や力仕事が多い、あるいは通勤に時間がかかるといった、身体に負担のかかる業務に従事している場合、早めに報告することで業務内容を調整してもらえる可能性があります。
実際に、ある調査では約8割の人が安定期前に報告しているというデータもあり、体調を考慮して早めに伝える選択をする人は少なくありません。
ただし、安定期前は流産のリスクが比較的高い時期でもあるため、報告することに慎重になる気持ちも自然なことです。
もし報告をためらう場合は、まずは直属の上司だけに事情を話し、他の人への公表は安定期に入ってからにしてもらうようお願いするなど、柔軟な対応を相談してみるのが良いでしょう。
つわりで業務に支障がある場合
つわりの症状は個人差が大きく、仕事に支障が出てしまうほど辛いケースも珍しくありません。
そのような場合は、決して無理をせず、早めに上司へ相談することが大切です。
理由を伝えずに欠勤や遅刻、早退が増えてしまうと、職場での信頼関係に影響を及ぼす可能性も考えられます。
体調が優れない事実を正直に伝えることで、周囲の理解や協力を得やすくなります。
相談する際は、「吐き気が続いていて、集中するのが難しい時があります」「通勤電車に乗るのが辛く、時差出勤をさせていただくことは可能でしょうか」というように、感情的になるのではなく、具体的な症状と業務への影響を客観的に伝えることがポイントです。
また、必要であれば医師に相談し、「母性健康管理指導事項連絡カード」を提出する方法もあります。
これは、医師が妊婦の健康状態に応じて必要な措置(勤務時間の短縮や休憩の増加など)を記載し、会社に伝えるための書類です。
これを提出することで、会社側も具体的な配慮をしやすくなります。
母性健康管理指導事項連絡カードをはじめ、妊娠中の女性が職場で受けられるサポートについては、厚生労働省の「働く女性の心とからだの応援サイト」に詳しくまとめられています。
妊娠報告にラインは使っても良い?
本来、妊娠という重要な報告は口頭で行うのが最も丁寧ですが、働き方の多様化に伴い、ラインやビジネスチャットでの報告も一概にマナー違反とは言えなくなってきています。
例えば、上司が頻繁に出張している、自身がリモートワーク中心で直接会う機会が少ないといった状況では、報告が遅れてしまうことの方が問題です。
このような場合は、まずは速やかに事実を伝える手段として、ラインやチャットを活用することも選択肢の一つです。
ただし、ラインで報告する際には注意が必要です。
カジュアルなツールだからこそ、言葉遣いには細心の注意を払いましょう。
スタンプや絵文字の使用は避け、「〇〇部長 お疲れ様です。ご報告したいことがあり、ご連絡いたしました。」といったように、丁寧な言葉で切り出すことが求められます。
そして、メッセージの最後には「改めてお電話、もしくはお会いした際に詳しくお話しさせていただけますでしょうか」と一言添えることで、誠実な姿勢を示すことができます。
あくまで第一報と位置づけ、後日正式な形で直接話す機会を設けることが、円満なコミュニケーションの鍵となります。
報告の前に決めておきたいこと
上司へ妊娠を報告する前に、自身の今後のキャリアプランや働き方について、ある程度方向性を決めておくことが望ましいです。
なぜなら、上司はあなたの報告を受けて、部署の人員計画や業務の再配分、後任者の選定などを検討し始めなければならないからです。
あなたの意向が明確であればあるほど、上司も具体的なアクションプランを立てやすくなり、話し合いがスムーズに進みます。
具体的に考えておくべき項目としては、主に以下の点が挙げられます。
- 出産後も仕事を続けるか、退職するか
- 仕事を続ける場合、産休・育休をいつからいつまで取得したいか
- 職場復帰はいつ頃を希望しているか
- 復帰後の働き方に関する希望(例:時短勤務、業務内容の変更など)
もちろん、この時点ですべてを確定させる必要はありません。
特に復帰時期などは、保育園の状況によって変動する可能性もあります。
現時点での「希望」や「目安」として伝えるだけでも、会社側は今後の準備を進めやすくなります。
また、産休・育休中の生活設計を具体的に考える上で、雇用保険から支給される「育児休業給付金」について正しく理解しておくことも大切です。
詳しくは厚生労働省の公式サイトで確認できます。
口頭での報告とメールの使い分け
妊娠報告において、口頭でのコミュニケーションとメールは、それぞれの特性を理解し、うまく使い分けることが円滑な情報共有につながります。
最も重要な第一報は、前述の通り、直属の上司へ直接口頭で伝えるのが最適です。
これにより、誠意を伝えつつ、その場で疑問点を解消したり、今後の進め方を相談したりできます。
一方で、メールには正確な情報を記録として残せる、複数人に同時に間違いなく伝えられるといったメリットがあります。
この二つの方法を効果的に使い分けるためのモデルケースと、それぞれのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
| 報告方法 | メリット | デメリット/注意点 |
|---|---|---|
| 口頭 | 誠意や気持ちが伝わりやすい その場で質疑応答や相談ができる 細かなニュアンスを伝えられる | 話す相手や場所を選ぶ必要がある 上司の時間を確保してもらう必要がある 言った・言わないの齟齬が生じる可能性がある |
| メール | 正確な情報を記録として残せる 複数人に一斉に報告できる 相手の都合の良い時に確認してもらえる | 事務的で冷たい印象を与える可能性がある 感情や細かなニュアンスが伝わりにくい 一方的な通知と受け取られるリスクがある |
このように、まずは口頭で上司に報告し、その場で相談した内容を踏まえて、後日、関係者への正式な報告としてメールを送る、といった流れが理想的です。
状況に応じて最適な方法を選択し、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
-

ワーママが体調不良で退職する前に。後悔しない判断基準
続きを見る
例文でわかる上司への妊娠報告メール
- 【基本】丁寧な妊娠報告メールの例文
- 体調不良についても触れる場合の例文
- 今後の働き方を相談したい時の例文
- 感謝の気持ちを伝えるポイント
- 良い関係を築く上司への妊娠報告メールのコツ

私の時代はメール報告なんてなかったから、口で伝えるので精一杯だったよ(笑)
夫と二人で「どうしようか」って悩んだのが懐かしいわ。
こういうのを参考にしつつ、最後は自分の言葉で感謝を伝えるのが一番いいんじゃないかな。
【基本】丁寧な妊娠報告メールの例文
上司への妊娠報告メールは、必要な情報を簡潔かつ丁寧に伝えることが基本です。
口頭での報告を補完する役割として、または、どうしても直接話す機会がない場合の第一報として活用できます。
基本的なメールを作成する際は、以下の構成要素を盛り込むと、分かりやすく丁寧な内容になります。
件名
「【〇〇部 氏名】妊娠のご報告」のように、誰からの何の連絡かが一目でわかるようにします。
宛名
会社のルールに従い、役職と氏名を正確に記載します。「〇〇部長」のように敬称をつけます。
本文
まず「私事で恐縮ですが」と前置きし、妊娠したことを報告します。
続けて、出産予定日と現在の妊娠週数を明記しましょう。
今後の業務については、引き続き意欲があることを伝え、引き継ぎなどについて相談したい旨を申し出るのが一般的です。
締め
「お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。」といった言葉で締め、署名と連絡先を記載します。
以下に、基本的な例文を示します。
件名:【〇〇部 氏名】妊娠のご報告
〇〇部長
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
私事で大変恐縮ですが、この度、新しい命を授かりましたのでご報告させていただきます。
現在妊娠〇週で、出産予定日は〇年〇月〇日頃の予定です。
今後の業務につきましては、体調管理に留意しながら、これまで通り精一杯務めさせていただきたいと考えております。
つきましては、産休・育休の取得や業務の引き継ぎに関し、改めてご相談させていただきたく存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、ご都合の良いお時間をお教えいただけますと幸いです。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
署名
〇〇部 〇〇 〇〇
内線:XXXX
Email:XXXX@XXXX.com
体調不良についても触れる場合の例文
妊娠初期は、つわりなどで体調が不安定になりがちです。
すでに業務に影響が出ている、あるいは今後影響が出る可能性がある場合は、その旨を正直にメールで伝えることも大切です。
体調不良について伝える際のポイントは、過度に不安を煽るのではなく、客観的な事実と、業務に支障をきたさないよう努める姿勢をセットで示すことです。
これにより、上司も状況を理解し、必要な配慮を検討しやすくなります。
以下は、体調不良についても触れる場合の例文です。
基本の例文に加え、体調に関する記述と、それに対する配慮をお願いする一文を加えています。
件名:【〇〇部 氏名】妊娠のご報告と今後の勤務についてのご相談
〇〇部長
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
私事で大変恐縮ですが、この度、妊娠いたしましたことをご報告させていただきます。
現在妊娠〇週で、出産予定日は〇年〇月〇日頃です。
本来であれば、より業務に励むべきところですが、現在つわりの症状があり、体調が不安定な日がございます。
ご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、可能な限り業務に支障が出ないよう努めてまいりますので、何卒ご理解いただけますと幸いです。
つきましては、今後の働き方や業務の進め方について、改めてご相談させていただくお時間をいただけますでしょうか。
お忙しい中大変恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
署名
〇〇部 〇〇 〇〇
内線:XXXX
Email:XXXX@XXXX.com
今後の働き方を相談したい時の例文
産休・育休の取得や、職場復帰後の働き方について、具体的な希望や相談事項がある場合は、その旨をメールに盛り込むことで、話し合いをスムーズに始めることができます。
この場合のポイントは、自分の希望を一方的に伝えるのではなく、あくまで「相談したい」という姿勢で打診することです。
また、業務の引き継ぎについても前向きに協力する意思を示すことで、責任感のある姿勢が伝わり、上司も安心して相談に乗ってくれるでしょう。
以下に、今後の働き方について具体的に相談したい場合の例文を示します。
件名:【〇〇部 氏名】妊娠のご報告と今後の働き方に関するご相談
〇〇部長
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
先日はお時間をいただきありがとうございました。
改めてメールにて失礼いたします。
この度、妊娠いたしましたことをご報告させていただきます。
出産予定日は〇年〇月〇日頃です。
つきましては、出産後も貴社で仕事を続けたいと考えており、〇年〇月頃より産休・育休をいただき、〇年〇月頃の職場復帰を希望しております。
産休に入るまでの業務の進め方や、円滑な引き継ぎの方法について、ぜひ〇〇部長にご相談させていただけますと幸いです。
お忙しいところ大変恐縮ですが、お時間をいただけますようお願い申し上げます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
署名
〇〇部 〇〇 〇〇
内線:XXXX
Email:XXXX@XXXX.com
感謝の気持ちを伝えるポイント
妊娠報告は、今後の業務体制の変更をお願いする報告でもあります。
そのため、報告の際には、周囲への感謝と配慮の気持ちを伝えることが、非常に大切になります。
なぜなら、あなたが産休や育休で休んでいる間、あなたの業務は上司や同僚が分担して担うことになるからです。
その負担に対する理解を示し、感謝の言葉を伝えることで、職場全体の協力体制が築きやすくなります。
これは、円満な人間関係を維持し、あなたが安心して職場復帰するためにも不可欠な要素です。
具体的には、「皆様にご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが」「ご協力いただく場面も増えるかと存じますので」といったクッション言葉を活用するのが効果的です。
また、「精一杯務めてまいりますので、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします」のように、謙虚な姿勢と前向きな意欲を示すことで、応援したいという気持ちを育むことにつながります。
権利を主張するだけでなく、感謝と協力の姿勢を忘れないようにしましょう。
-

共働き子育ては無理ゲー?その現実と乗り越えるヒント
続きを見る
良い関係を築く上司への妊娠報告メールのコツ
ま と め
- 報告の基本は口頭で直接伝える
- メールは補足や関係者への連絡に活用する
- 報告相手はまず直属の上司から
- 報告のタイミングは体調や業務内容を考慮して決める
- 安定期前の報告も選択肢の一つとして考える
- つわりが辛い場合は無理せず早めに相談する
- 今後の働き方の希望を事前にまとめておく
- 産休・育休の取得意向と復帰時期の目安を伝える
- 引き継ぎに協力する姿勢を明確に示す
- メールの件名は内容がひと目でわかるように工夫する
- 本文では妊娠週数と出産予定日を明記する
- 業務への意欲と前向きな姿勢を伝える
- 周囲への感謝と配慮の気持ちを忘れない
- ラインなどで報告する場合は丁寧な言葉遣いを徹底する
- 報告後は上司と相談し同僚への報告タイミングを決める
